彩瀬 まる 「くちなし」この本もいつ借りたのか全く覚えていないから、これもきっと新聞広告がきっかけだったのだろうと思う。
短編集だった。
「愛のスカート」と「茄子とゴーヤ」の2作品がわりと普通の内容で、あとの5つは、とても不思議な世界だった。
恋人から腕をもらってそれを花瓶に挿すとか、それだけを取り出すととても異様な世界だけれど、読んでいても気味悪さを感じさせず、淡々としていて、それでいて怖い。
タイトル「くちなし」の「ち」の文字だけを少しずらしてあるところも、どこかゆがんだ世界を現わしているような感じもする。
でも、どの作品も、読み終えた瞬間から私の中から消えていったような感があった。
[2回]
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