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なんやかんや
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木内 昇 「茗荷谷の猫」

短編集でした。
作品の数は9つで、表題作は3つ目の話でした。
表題作まで読んで、面白くないわけではないのに、なんかなあ、という感じで、どうしようか迷ってしまい、それならと先に「終わらない歌」を読み、その後、この本の続きを読んだら、5つ目の「隠れる」が、面白かった。
世の中から隠れるために、受け継いだ財産で寂れた町に移り住んだのに。。。
ラストは、ちょっと笑えました。
その後の「庄助さん」「てのひら」なんかもよかったです。
最後の作品「スペインタイルの家」は、文庫本でたったの9ページの話でしたが、「・・・俊男は、自分の仕事の意味を知って、ほんの少し安心する」の部分を読んで、私だってほんの少しでいい、そういう実感を持って生きていきたいよなと思ったのでした。
9つの作品は微妙にリンクしているんですが、それがそれぞれの話の中で重要なことかというと、そうでもなく、ただ、そんなことがあったのだ、そんな人がいたのだという事実をさらっと出してくるだけで、読み終えて、この9つの作品によって、ごく普通の世界の、ある一部分が取り出されているだけなのだという印象で、上手いなあと感じられた一冊でした。

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