「背の眼」 道尾秀介
直木賞の「月と蟹」が予約待ちなので、その前にと手にとった本。
心霊現象のお話です。
丁寧と言えば丁寧だしそれなりに面白いんだけれど、ここまであれこれ書かなくてもいいんじゃないかなと思っていたら、巻末に代5回ホラーサスペンス大賞の選評が載っていて、それを読むと、私が感じたこととよく似たことが書いてあったので、ああやっぱりそうなのかあ、と納得した。
桐野夏生さんなんか、「特に前半部分は主人公たちが幼稚に思えるほど、どうでもいい話が続く」とばっさり。
400ページほどで2段組、最初、げっ読みきれるだろうか、と不安で仕方なかったですが、悲しみに耐え切れなくなった人の心の辛さがずしりと響きました。
「機嫌のいい犬」 川上弘美
川上弘美さんの書いた俳句集です。
俳句になっても川上ワールド、楽しいです。
はつきりしない人ね茄子投げるわよ
名づけても走り去りたるむじなかな
ぎやうさんの蝶にたかられ重し重し
初夢に小さき人を踏んでしまふ
いたみやすきものよ春の目玉とは
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