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なんやかんや
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月村 了衛 「機龍警察」

警察が傭兵を雇っています。
その傭兵が、ロボットみたいなのを装着して事件を解決します。
アニメっぽいですが、警察内部の確執が描かれた警察小説で、結構読み応えがありました。
シリーズもので、後の作品で登場人物の過去が描かれているらしく、とっても気になるのですが、一気に読むのも疲れそうなので、ちょっと間をおきます。
それにしても警察って。。。。

この本を読む前に一冊挫折しました。

多和田葉子「雪の練習生」

内容が最初さっぱりわからなくて戸惑い、ちょっとわかってきたところで、自分が疲れているせいでなかなか世界に入って行けず、やめました。
結構話題になっていたのにちょっと残念。
またいつか。

ということで、次に読む作品が画像に印字されています。



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伊東 潤 「巨鯨の海」

和歌山太地の「鯨組」の話です。
全部で6編あるどの話にも「組織捕鯨」の様子と漁師たちの暮らしが描かれていますが、どの1篇をとっても、ずっしりとした重みのある内容でした。
最後に描かれていた大遭難事件は、歴史的事実のようです。
「太地がそんな場所であったことを、伊東さんの小説を読むまでは知らなかった)林真理子:解説」とありましたが、私もそうでした。
捕鯨によってなりたっていた太地で生きていくという事。
鯨の習性なんかもよくわかって、だからこそ、太地の人々のことが深く深く心に残りました。

読んでよかったです。

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辻村 深月「凍りのくじら」

正直、暗い作品でした。
体調ももひとつだったし、もうやめよ、もうやめよと何回も思いながら、またまた2週間まるまるかかって読みました。
ラストまで読んで、ああ、辻村さんの作品だなあと納得。
でもやっぱり、暗い作品で、しんどかったです。
辻村作品は「凍りのくじら」から読め、とかいうフレーズがネットでちょこちょこ出ていました。
私が言うとしたら、この作品は体調の良い時に読め、です。


月村 了衛「槐」

「槐」=えんじゅ と読みます。
こちらも結構ハードな内容でしたが、私にはこちらの作品の方が面白かったです。
ある野外活動部の中学生が出かけたキャンプ場で、ものすごく悲惨で惨い殺戮事件に巻き込まれます。
で、勿論そこに、彼らを助けてくれる人物が現れます。
めちゃ怖かったですが、由良先生の冷めた冗談?が、血腥い展開をスッと押さえてくれているようで、心に残りました。
展開は若干無理があるとは思いましたが、サクサクッと読ませる内容でした。

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深緑 野分「オーブランの少女」

「美しい庭園オーブランの管理人姉妹が相次いで死んだ。姉は謎の老婆に殺され、妹は 首を吊ってその後を追った。妹の遺した日記に綴られていたのは、オーブランが秘める 恐るべき過去だった」

ふむ。
確かにビックリするような終わり方でした。
でも、何となく、無理やりに驚かせるために書いているような印象を受けました。
この作品は、「ベスト本格ミステリ2011」という本の中の一つの作品で、他の作品も読むつもりでしたが、若干字が小さかったので、メガネをかけてまで読む気になれず、これだけ読んで返却しました。

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池井戸潤「仇敵」
鹿子裕文「へろへろ」
伊坂幸太郎「サブマリン」
澤村伊智「ぼぎわんが来る」
名梁和泉「二階の王」
辻村深月「朝が来る」
米澤穂信「真実の10メートル手前」

4月後半から読んだのはこれだけです。
最後の一冊を除いて、すべて2週間丸々かかってしまいました。
でも、この7冊はどれも面白かったです。
あえて言うなら、池井戸潤「仇敵」、これはまあまあでした。

次の「へろへろ」、これは、
ほとんど仕事がなかったフリー編集者が、福岡市の高齢者介護施設「宅老所よりあい」の人たちと知り合い、なぜか「世話人」として関わるようになり、「よりあい」が総額3億円以上のカネで特別養護老人ホームをつくるまでの疾風怒濤の日々の記録
です。
面白かったです。
笑えました。
そして、色々なことを考えさせられました。

「サブマリン」伊坂ファンなら絶対見逃せませんね。
陣内ですよ、陣内。

「ぼぎわんが来る」は、第二十二回日本ホラー小説大賞作品で、「二階の王」は、同賞史上初の大賞二作も、と思わせた作品です。
「ぼぎわん」は怖いでしたよ~~~
「二階の王」は怖いというより、よく考えてあるなあという感じです。

辻村深月「朝が来る」
ちょっと出来すぎのラストでしょう。
泣きましたよ。
特別養子縁組を進めていく中で、心に残るフレーズがいくつかありました。

米澤穂信「真実の10メートル手前」
この本は二日で読み終えました。
短編集でしたが、どれも読み応えがありました。
ラストの意外性、ミステリーとしての面白さより、女性記者、太刀洗万智の立ち位置とか覚悟とかがとても印象的で、この本にも色々なことを考えさせられました。

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一色 さゆり 「神の値段」

第14回「このミステリーがすごい」の大賞作品。


「メディアはおろか関係者の前にも一切姿を見せない現代美術家・川田無名。彼は、唯一つながりのあるギャラリー経営者の永井唯子経由で、作品を発表し続けている。ある日唯子は、無名が1959年に描いたという作品を手の内から出してくる。しかし唯子は突然、何者かに殺されてしまう。アシスタントの佐和子は、唯子を殺した犯人、無名の居場所、そして今になって作品が運びだされた理由を探るべく、動き出す。幻の作品に記された番号から無名の意図に気づき、やがて無名が徹底して姿を現さない理由を知る――。」

美術界の話でした。
ギャラリーのこととか、オークションのこととか、コレクターのこととか、私なんかとはかけ離れた世界のことにぐいぐい引き込まれました。
現代アートの父・デュシャンとか、マーク・ロスコとかパウル・クレーの名前なんかも出てきます。
最後まで面白かった、、、のですが、何と言うか、ミステリーとしてより、アートについての話が面白かったです。
アートって何なんでしょうね。
コレクターって何なんでしょうね。


==============

さて、宮下奈都さん、本屋大賞に選ばれましたね。
やー よかったです。
あの作品は大好きです。
今日、テレビでお顔を拝見したんですが、なるほど!という感じの人でした。
作品と、見た感じの印象がしっかりリンクしている、という感じでした。

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宮下 奈都 「太陽のパスタ、豆のスープ」

挙式を目前にして婚約破棄を言い渡された明日羽。
その彼女が、立ち直っていく話です。
「羊と鋼の森」以来の、宮下作品2冊目。
この作品も、ささやかなことをとても丁寧に書かれてあって、いい作品でした。
え?ほんとにそんなにおいしいの?と、豆に手を伸ばしたくなってきます。
自分のやりたいことリストに「豆を使ったお料理」が入った人、いるだろうなあ。
それは私ですが。
「私の選ぶもので、私はつくられる」
いい言葉です。





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伊坂 幸太郎 「ガソリン生活」

主人公は、車のデミオ。
デミオの目線で話がずっと続いていきます。
デミオが色々話すもんだから、つい私も、うちの車は私のことをどう思っているんだろうと気になってしまいました。
デミオは車だから、話し相手も車です。
その、車同士の会話がツボにはまりました。
伊坂さんならではのユーモア。
明るくてイイですね。
ただ、話には、小学生のいじめとかも少し入っているんですが、これも伊坂さんらしいというか、結構シビアでした。
タイトルは忘れましたが、檸檬と蜜柑が出てくる新幹線の話で、それに登場していためちゃ気分の悪くなる中学生のことを思い出しました。

ラストがかわいらしい展開でした。




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芦沢 央 「いつかの人質」

「幼い頃に連れ去りにあい、失明した愛子。借金を残し失踪した妻・優奈を捜す、漫画家の礼遠。行方をくらました優奈は、誘拐犯の娘だった。事件から12年、魔の手が再び愛子を襲う! 戦慄のサスペンス・ミステリー」

同じ少女が二度も誘拐される理由。
話は色々な人の視点から描かれています。
犯行の動機が意外で、そうきたか、というのは確かにありましたが、どう考えてもただの身勝手でしかなく、私にはもう一つな作品でした。
冒頭の事件も、話を進める上で必要な展開だったのだろうけれど無理があると思ったし、視覚障碍者の愛子がコンサートに行った時の友人や愛子自身の言動も同様に、そういうものかもしれないとは思ったけれど、やっぱりこの小説を書くためにはこうなっていなくちゃいけない、みたいなものが感じられて、どんどん読み進みたくなるのだけれど、どこか入り込めなかった。



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青山 文平 「つまをめとらば」

時代小説の短編集でした。
女性の強さというかしたたかさというか、この世は、そんな一言で括られるような女性ばかりではないとは思いますが、それぞれに面白かったです。
全部で6篇ありましたが、一番気に入ったのは「逢対」
武家の泰郎と煮売屋の里。
武家をやめようという決意もなかなかもてない泰郎は、ある時、お役目にありつくために、人柄が良いと言う評判の権力者の所へ通う「逢対(あいたい)」をするのですが、、、
里のおおらかさ?も印象に残りましたが、泰郎がスパッと決心したところが面白かったのです。
ネタバレになるので書けないのですが。


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