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なんやかんや
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大島 真寿美 「渦 妹背山婦女庭訓 魂結び」

第161回 直木賞受賞作。
図書館から2冊同時に連絡が来てしまい、どっちから読むかと迷って先に読んだ一冊。
人形浄瑠璃のお話でした。
主人公の近松半二は実在の人物。
浄瑠璃の世界に取りつかれた半二を見ていると(読んでいると?)、こういうような人、以前にじかに会ったことがるなあと何度も思い出し、とにかくそこは面白かった。
こういう人のそばにいると、こちらまでいろんな影響を受けるんだな。
その温度とか雰囲気とか、実によく伝わってきた。
歌舞伎との関わりの話も興味深かったし、最後の章でお三輪が出てくるのも面白いなあと思った。
とはいえ、ずっと読んでいると、所々でちょっとアップアップしてきた。
ちょっと前に読んだ「宝島」の時も似たようなことがあった。
これは好き嫌いの問題かなあ。
それで、途中からもう一冊の方を読みだしたのだけれど、そちらの作品にどっぷりはまってしまった。

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川瀬 七緒 「紅のアンデッド」

「高齢夫婦が連れ去られて1ヵ月。残されていたのは切断された小指が三本。夫婦以外のもう一人は誰だったのか。血だらけの現場から殺人が疑われたが、本当に殺されたのか。警察の新組織「捜査分析支援センター」に正式採用となった法医昆虫学者・赤堀涼子が同僚のプロファイラーと組んで、殺人とは断定できない難事件に挑む!」
今回やはり虫がたっくさん出てくるので、気持ち悪いと言えば気持ち悪いのですが、それがあってもなお物語に引き込まれていくのが川瀬さんのこのシリーズ。
虫への拘りから、気になったことを納得できるまで色々試してみる姿勢がすごいです。
赤堀涼子の過去のことも出てきて、その分話にも少し深みが出てきているかなと思います。
それにしも、やけど虫ってなんぞや。
一応ネットで検索してみました。
これがわんさかいたのね。。。ううう。気持ち悪いというより、怖い。。。
面白かったです。



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真藤 順丈 「宝島」

何とか期日までに読み終えた作品。
なんでこの本を予約したのかまるっきり覚えていなかったのでちょっと調べてみたら、この作品は第160回直木賞受賞作品だということがわかりました。
全然覚えてないし。
私のことだからきっと、候補が決まった段階で、図書館のHPを調べて予約数の比較的少ないのを選んだのだと思います。
沖縄のお話でした。
沖縄の言葉もいっぱい出てきます。
だからちょっと読みづらいところもありましたが、心地よいなと感じることもありました。

「1952年の沖縄で日々を生きるために米軍基地に忍び込み、基地から物資を奪う「戦果アギヤー」の、みんなの英雄、孤児たち4人組グループのリーダーのオンちゃん。基地から奪った薬を住民たちの手に渡り命を守り、盗み出した木材は小学校になった。極東最大の軍事基地「キャンプ・カデナ」に忍び込んだ夜、米軍に追われたオンちゃんは突如として失踪してしまった。残された3人——親友のグスクは警官に、弟のレイはアンダーグラウンドを転々とする危険人物に、オンちゃんに好意を寄せていたヤマコは教員として社会運動にも深く関わりながら歴史を生きる。。。伝説のオンちゃんはどうして姿を消してしまったのか。。。」

なんというか、すごいパワーを感じる小説でした。
沖縄の話ですから、どうしても悲惨な事件のことがいっぱい出てきます。(といっても、それを詳しく追っているわけではない)
それはもう、理不尽なんてもんではない。
教室で、自分の目の前で教え子が死んでしまうのを目にし、気も狂わんばかりになるヤマコ。
とんでもなく悲しく苦しい沖縄。
強くて哀しい「なんくるないさー」という言葉が心に刺さります。
グスクの歌と踊り、見てみたくてたまらなかったです。
「予定にない戦果」という言葉があって、それが興味を引っ張るように話が続いていくのですが、それが何なのかが分かった時、「おんちゃん」のことがこれまたずっしりと心に刺さり、いろんな気持ちとか思いとか、想像を掻き立てられました。
沖縄のこと、忘れてはならん。

・・・なんて思いを抱えて読み終え、これに比べたら私の現実なんて大したことない、と思ったりもしていたのですが、いざ現実に戻って会社に行けば、色々ありまして。





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葉室 麟 「蛍草」

2~3日前、新聞のテレビ欄を見ていたら、NHKで「蛍草」というドラマが始まるのを見つけ、そういえばこの本を読んだのだったということを思い出しました。
葉室作品はいくつか読みましたが、題名も内容もすっかり忘れたけれど、すごーく面白かったのを覚えている。
なので、それらと比べたら、この作品は大分軽いです。
話もちょっと出来すぎているし、エンタメ性がやや強いですが、ちょっととぼけた感じの主人公菜々は、それはそれで楽しかったです。
よく頑張ったしね、菜々。
とはいえ、これではなんとなく葉室作品を読んだ気になれないので、時間のある時にはやっぱりずしっとくる別の一冊を読みたいです。



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順番回ってきましたよーの連絡があって受け取りに行ったのが7/12。
手にしてぎょえっとなったのがこの本。
分厚いではないか。。。

毎日せっせと読んではいるが、どういうわけか、読み始めてしばらくすると絶対に眠くなる。
話は面白いんだけれど、なぜか眠くなる。
それなのに、返却期限が迫ってきている。

残り、1/3といったところか。

ずっと気になっていることが今から出てくるので、はやく先を知りたいのだけれど、どうしても眠くなる。
うーむ。
読み終えられるだろうか。


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中山 七里 「能面検事」

「巷を騒がす西成ストーカー殺人事件を担当している、大阪地検一級検事の不破俊太郎と新米検察事務官の惣領美晴。どんな圧力にも流されず、一ミリも表情筋を動かすことのない不破は、陰で能面と呼ばれている・・・」
不破のキャラクターはすごいけれどそれなりに面白かったのですが、事務官の美晴の設定が、私としてはちょっとでした。
なんでそういうことを言う?もうちょっと考えてから言えば?ちょっと感情に左右されすぎじゃない?と小説の人物に何度も突っ込み入れてしまいました。
と同時に、人のこと言えるか?と自分にも突っ込み入れてしまいましたが。
ラストでドッキリな展開があり、どうなるんだと心配しましたが、話は大体落ち着くべきところに落ち着いたという感じです。


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瀬尾 まいこ 「そして、バトンは渡された」

「高校二年生の森宮優子。
生まれた時は水戸優子だった。その後、田中優子となり、泉ヶ原優子を経て、現在は森宮を名乗っている。
名付けた人物は近くにいないから、どういう思いでつけられた名前かはわからない。
継父継母がころころ変わるが、血の繋がっていない人ばかり。
「バトン」のようにして様々な両親の元を渡り歩いた優子だが、親との関係に悩むこともグレることもなく、どこでも幸せだった。」

読みだして、なんだ、この家庭環境の設定は、とビックリしました。
中心になるのは、最後のお父さんの森宮さんとの関係です。
この森宮さんの設定がまたちょっと変わっていて、なんだこの人は、と何度も思いつつ、何度も笑える。
本だから楽しめる世界だったと思う。
笑えたし、最後はちょっとぐっときたし。


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小野寺 史宣 「夜の側に立つ」

高校時代にちょっとしたことからバンドをむことになった5人の話。
話は、時代があっちへ行ったりこっちへ行ったりしながら進みますが、読みにくいという感じはしませんでした。
一番知りたいこと、ボートでのシーンが最後に出てきてドキドキします。
主人公の了治はなんであんなに自己評価が低いのか、家族にも恵まれているのになと思う部分はあり、それはちょっとと思ったのですが、私にはぎりぎり許せる範囲。
(それをうじうじしていて嫌と感じる人もいるかもしれない)
それよりも、人との距離感とか母親への思いなどは「ひと」と同じく、私には良い加減でした。
話の進め方の速さというか、そういうのがやはりよいなと思います。
ただ、ラストの部分、しばらくどう考えたらいいのかわかりませんでした。
今もまだわからないです。
本当にそうんなだろうかと今も思うのです。
小野寺さん、もうちょっと読んでみたい。

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小野寺 史宣 「ひと」

高校時代に父親を車の事故で無くし、大学2年の時に母親が突然死して一人になってしまった柏木 聖輔の話です。
大学をやめて、偶然働くことになった総菜屋の田野倉、まず、この店の規模、小ささが、物語のトーンとよく合っているなと思いました。
店主もいい人だし、その店で一緒に働く人にも恵まれています。
目次を見ると、「ひとりの秋」「ひとりの冬」「ひとりの春」「夏」とあって、話の方向は大体わかるし、女の子が出てきたら、きっとこの子だな、と思います。
この女の子、慶応大学の学生と交際しているのですが、ひとつのこだわりがあって、どうも彼の行動を「違う」と思ってしまう。
彼女の話を聞いて、「まちがってはいない。そういう考え方もある。否定はできない。」と聖輔は思います。
そのあたりの感覚が、私は好きでした。
物語が出来すぎにならない程度に、自分勝手な叔父さんも出てきました。
それでも、こんなに人に恵まれることはあまりないのかもなとも思います。
それでも、それでも、だからこそ私は余計に、本の中で「休憩」したいのです。




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読書の方はあんまり進んでいません。
とりあえず、読んだ本の題名だけ。

蒼井 碧 「オーパーツ死を招く至宝」
宮下奈都 「つぼみ」
森 絵都 「風に舞いあがるビニールシート」
羽田 圭介 「黒冷水」
吉野源三郎 「漫画 君たちはどう生きるか」

「オーパーツ死を招く至宝」は、2018年第16回『このミステリーがすごい!』大賞大賞受賞作。
短編集で、ちょっと軽い感じで期待外れだなと思った記憶があります。
「つぼみ」も、短編集でした。
この作品、今調べてみると、<本書の最初の3編は【スコーレno.4】のスピンオフ>とか紹介されていて、「スコーレno.4」はまだ読んでいないので、選択間違ったかもしれません。
体調も悪かったせいか、その時の私には「つぼみ」はちょっと理屈っぽく感じられて、あまり入り込めませんでした。
「風に舞いあがるビニールシート」も短編集でした。
また短編集かよ、と思いながら読み始めました。
話はちょっとコアだったりする世界もありました。
たとえば、仏像の修復師、知らない世界だったので、その点は面白かったです。
でも、全体的に、どこかちょっと重い、というか、面白い展開もあるのですが、何かちょっと違うような、でした。
「黒冷水」はすごい話でした。
兄弟の話、なんやねん、この話、と言いたくなるような、気分の悪くなるような話でしたが、最後がどうなるのか知りたくて読み進んだ感じです。
で、ラスト、超びっくりしました。
気分、悪いままでしたが。

「漫画 君たちはどう生きるか」
半分は漫画なので、するするっと読み終えました。
おじさんがいいです。

この後に、もう一冊読みました。
それが私にはよかったです。
次で紹介します。



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